悪性リンパ腫

リンパ節もしくはリンパ組織に発症する悪性腫瘍で、

悪性リンパ腫は、単一ではなく、多様な病型のリンパ系組織のがんの総称です。

病型を大別すると、ホジキンリンパ腫(ホジキン病)と非ホジキンリンパ腫があります。

<疫学>
日本人のホジキンリンパ腫は約10%であり、日本では殆どが非ホジキンリンパ腫で占めている。

ホジキン病

ホジキン病というのは、リンパ組織に悪性腫瘍ができてしまう病気ことをいいます。

ホジキン病の原因はわかっていません。

しかし、一部のホジキン病については、エプスタイン‐バー(EB)ウイルスへの感染によってBリンパ球が癌化し、

リード‐シュテルンベルク細胞に転化することがあります。

<症状>
ホジキン病では、1カ所または複数のリンパ節が腫れて大きくなります。

最もよくみられるのは首のリンパ節の腫れですが、わきの下や足の付け根のリンパ節が腫れることもあります。

痛みはないのが普通ですが、大量の飲酒後に腫大したリンパ節が数時間痛むこともあります。

人によっては、発熱、寝汗、体重減少、かゆみ、疲労などがみられることもあります。

ペル‐エブスタイン熱(数日間の高熱と、数日から数週間の平熱または平熱以下の体温を繰り返す異常な体温パターン)がみられる場合もあります。

がん細胞の増殖部位によっては、これ以外の症状が現れることもあり、たとえば胸のリンパ節が腫れた場合は、気道の一部が圧迫により狭くなり刺激されるため、せき、胸部の不快感、息切れなどの症状が出ます。

脾臓や腹部のリンパ節が腫れた場合は、腹部に不快感が生じます。

非ホジキン性リンパ腫

非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫(ホジキン病)以外の全ての多様な悪性リンパ腫のことです。

非ホジキンリンパ腫には、顕微鏡ではっきりと判別でき、細胞パターンも経過もそれぞれ異なる20種類以上の癌が含まれます。

非ホジキンリンパ腫の85%はBリンパ球のがんで、Tリンパ球の癌は15%未満です。

非ホジキンリンパ腫はホジキン病よりも多くみられ、米国では毎年約6万5000人が新たに非ホジキンリンパ腫と診断され、この数は特に高齢者と免疫機能不全の人を中心に増加しています。

臓器移植を受けた人やヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している人は、非ホジキンリンパ腫のリスクが高くなります。

バーキットリンパ腫


バーキットリンパ腫は、Bリンパ球に発生し、非常に急速に増殖する非ホジキンリンパ腫です。

どの年齢層にもみられますが、小児および青年期の特に男性に多くみられます。

このリンパ腫には他のリンパ腫にはない地域性があり、最も多いのは中央アフリカで、米国ではまれです。エプスタイン‐バー(EB)ウイルスが原因で生じますが、接触感染はしないと考えられています。

このリンパ腫はエイズにかかっている人に多くみられます。

バーキットリンパ腫は急速に増殖して広がり、しばしば骨髄、血液、中枢神経系へ浸潤します。

リンパ腫が広がると、筋力低下や疲労などの症状が現れます。

腹部のリンパ節や臓器に多数のリンパ腫細胞がたまると、むくみが生じます。

リンパ腫細胞が小腸に侵入すると、閉塞や出血が起こります。

首やあごがむくんで痛むこともあります。

異常組織の生検やその他の検査を行って診断を確定し、病期を判定します。

バーキットリンパ腫は、治療しなければ死に至る病気です。

小腸の病変部は放置すると出血したり、閉塞を起こしたり、破裂したりする可能性があるため、切除する必要があります。

リンパ腫が広範囲に広がっていない場合には、高用量化学療法によって70〜80%が治癒します。

診断時点ですでに骨髄、血液、中枢神経系にまで広がっている場合は、経過が非常に悪くなります。