白血病

「血液のがん」ともいわれ、遺伝子変異を起こした造血細胞(白血病細胞)が骨髄で増殖して正常な造血を阻害し、多くは骨髄のみにとどまらず血液中にも白血病細胞があふれ出てくる血液疾患。

<成因>白血病のほとんどは原因は不明である。

急性骨髄性白血病 (acute myelogenous leukemia; AML)

細胞の形態・性質を重視するFAB分類では M0 から M7 までの8タイプに分けられる。

  1. M0 急性未分化型骨髄性白血病(最未分化型)
  2. M1 急性未分化型骨髄芽球性白血病
  3. M2 急性分化型骨髄芽球性白血病
  4. M3 急性前骨髄球性白血病
  5. M4 急性骨髄単球性白血病
  6. M5 急性単球性白血病
  7. M6 赤白血病
  8. M7 急性巨核球性白血病

造血幹細胞から顆粒系へ分化する段階での細胞が腫瘍化して白血病細胞となる。

ペルオキシダーゼ反応が陽性になる。

白血病裂孔がみられる。

急性骨髄性白血病では分化能を失った白血病細胞が幼若細胞の形態のまま異常な増殖をした末に末梢血に流れ出るので、末梢血中の白血球(白血球様細胞)には多数の幼若細胞(白血病細胞)と少数の正常な成熟細胞のみが見られるようになる。 この末梢血中に幼若細胞と成熟細胞のみが見られ、中間の分化段階の細胞が欠落した状態を白血病裂孔という。

慢性骨髄性白血病 (chronic myelogenous leukemia; CML)

フィラデルフィア染色体として知られる染色体転座による遺伝子の後天的異常と明白に関連すると捉えられた最初の病気。(9番染色体と22番染色体)

<症状>
自覚することがある症状としては、慢性骨髄性白血病は脾腫を伴うことが多いので腹部膨満は比較的見られる自覚症状である。

<血液検査>
慢性骨髄性白血病の血液では白血球が著明に増加し(半数以上の患者では10万個/μl以上、基準上限値の10倍以上になる)、血小板も増加していることが多い。

好中球が増加し(元々白血球では一番多い種類)膨大な数になるが、好中球は顕微鏡観察では一見正常に見えるが、アルカリフォスファターゼ (NAP) 活性が著明に低下し、他の白血球増多症との重要な鑑別点となっている。

注)急性転化が起こり急性骨髄性白血病の症状、正常な造血機能が著しく障害される状態になる。

成人T細胞白血病(Adult T-cell leukemia 略称 ATL)

HTLV-1 (Human T-cell leukemia virus type-1) ウイルスによる白血病で、病型は急性型、慢性型、リンパ腫型、くすぶり型と症状・病態の違う発現をする。

日本では、特に西南日本、とりわけ南九州と西九州で多い。

HTLV-1ウイルスに感染してもほとんどの感染者は一生のあいだ白血病を発症することはなく、HTLV-1ウイルス感染者のうち一生涯で白血病を発症する者は数%である。

HTLV-1ウイルスの感染ルートは輸血、性交による感染、母乳に限られ、現在では輸血用血液は検査されており、母子感染を別にすれば HTLV-1ウイルス感染者が近くにいても HTLV-1ウイルス感染者と性交さえしなければうつることはない。

性交で感染するため、ウイルス感染率は年齢が上がるほど上昇し、とくに女性の感染率が上昇する。

母乳中のHTLV-1感染リンパ球が乳児の消化管内で乳児のリンパ球に接触することでHTLV-1は新たに感染することができる。レトロウイルスであるため、リンパ球DNAに組み込まれ、ウイルスの再生産を行う。

母子感染は人工ミルクに切り替えることで防げる。

ウイルス感染から白血病発症まで極めて長い時間(数十年)掛かり、そのため乳児のときにウイルスに感染しても成人T細胞白血病を発症するのは成人になってからであり、日本においては成人T細胞白血病患者の平均年齢は61歳である。

<合併症>

  • 高カルシウム血症
  • 日和見感染症